だいたいパーティを組むと3番目ぐらいにいる社長のブログ

マグネットシティ ~自然と人が集まる街~ 移住について考える。

今回は先月北海道の本別町で講演をしてきた、「魅力的な街づくりを考えよう!」の内容をシェアします!
街によってできること、やりたいことの方向性があるので、どこででも使える「町おこし」はないと思っています。
ですので、事例のお話よりも、一歩皆で踏み出すという意識を喚起することを講演の目的としています。
(こちらはYmixとしてではなく、私が理事をしている地域包括ケア研究所の一員として講演しています。)

 

講演のアジェンダです。

 

早速、、、

 

まず最初に研究所のメインコンセプトは「日本一のあったかな街づくりを」です。

 

それを実現するために、「医職住」として、「医療・職業・住」環境を整えていくということを行っていきます。

 

メンバーとしては、こういった形でチームを組んでいます。
大きな特徴としては、やはり、鎌田實先生と、鷹野先生がいることで、特に日本でそういった地域を医療・福祉観点で町おこしをしてきた第一人者です。

 

地域包括ケア研究所では、医職住のそれぞれの専門家がいることで、総合的な町の支援を可能としています。

 

今回の講演は、私、「だいたいパーティを組むと3番目ぐらいにいる社長」が行います。

 

私は、以前の記事の通り 「学生・企業・地方」を支援しています。

 

今回の講演は、「ただの」講演ではなく、皆で考えることを目的としているので、鎌田先生、諏訪中央病院の「山中先生」と「奥先生」に住民の方の意見に対してのフィードバックしていただきました。

 

住民の方々には各6人~7人の10チームに分かれていただきました。
その中で各チーム内での自己紹介をしていただくのに、普通の自己紹介ではなく、「他己紹介」という形で紹介をしていただきました。
やり方としては、まず最初に2人一組でチームを組み、例えばAさんがBさんに自己紹介を行い、BさんはAさんの紹介を残りのチームメンバーに「他己紹介」する。
こういったやり方をすることで、より相手に深い興味を持ち、真剣に相手の話を聞くことになるので、この方法を採用しました。


次にアイデアだしを行う上で、頭の体操です。

今回は、頭の体操として、紙を使って音を鳴らす方法を考えていただきました。
これは頭の柔軟性を問うというよりも、どちらかというと、自信を持って発表するということに主眼を置いています。
紙をめくる音もよし、すり合わせる音もよし、紙鉄砲もよし、そして紙笛もよし。
なんでもよいのです。それを自信を持って発表できるか。



ここでようやく本題です。

と、見せかけて、まずはクイズです。
十勝地方周辺の町の認知度と行ったことがあるかの調査をネットで行いました。
3回ほどやってみて、ほぼ同じ傾向でしたので、おそらく正確な数字が取れていると思います。

意外と認知はされていますね。
次にこれは何の地図でしょうか?

正解は消滅可能性都市についてです。
消滅可能性都市は30年後に自治体として維持できない可能性がある都市のことを差します。
十勝地方の町は、かなり厳しい状況です。

さてさて本当に本題です。

まずは移住を検討する際に踏むステップからです。

この中で、自治体や住民が手を出せるものは限られていて、その中でも「移住先を探す」「街について調べる」時に、移住先(町)の情報をしっかり打ち出しておく、ということが重要になります。
でも、その町の魅力を、町に住んでいる方が勘違いしていることは往々にしてあります。


それがこの2つの円です。それについてお話します。

 

人が住みたくなる魅力的な街として、「どういった街だったら住みたくなりますか?」
皆さん考えてみてください。

やりたい仕事があるとか

すっごい良い医療環境が実現できているとか

めっちゃ人が良くて癒されるとか

でも本当にそれだけで移住しますか?

それを図で考えてみましょう!
人の期待値は、決して、「病院だけ」良ければ移住する!という人はいないです。

そうではなく、「病院」はめっちゃ良くて、さらに「仕事」があって、「買い物」もそこそこしやすくて、、
みたいに複数のニーズがあります。

そして住民が求めるニーズをすべてクリアした時に、初めてこの町になら移住しても良いかも?になります。
移住はまれなケースですが、引っ越しする際を思い浮かべてください。
引っ越し先の家・場所を決める際に、この一つだけは絶対重要だが、他は本当に何でもいい!!みたいな人はいないと思います。

ですので、例えば自治体でいうと一つの課だけが頑張るのではなく、総合的にいろいろな課が協力する必要があります。
また住民も、自治体に任せるのではなく、皆が協力して、初めて移住したいと思ってもらえる魅力的な街ができます。

ここで2つめのアンケート結果ですが、実際に移住経験者に聞きました。
どういった要素が重要でしたか?
一部0のものもありましたが、やはりニーズが分散して、皆複数回答しています。

ですので、やはり、1人だけ、1つの課だけ、自治体だけが活動するのではなく、皆が手を繋ぎ合って、移住政策(町おこし)に取り組む必要があります。

少し言い換えると、人のニーズを満たした「必要最低限の魅力」というものが必要になります。
これが一つ目の円です。

次にもう一つですが、こちらはいきなり答えを公開!
「すっごい魅力」です。いきなりポップなトーンにしてしまいました(; ・`д・´)

そのすっごい魅力を話す上で3つ目のアンケートです。
移住先に一番求めたものは何でしたか?

「都会に住んでいたため、田舎に住もうという事になりました。
はじめ田舎に行ったときに、自然が豊かでとても開放的な気分になりました。
持病の喘息も回復の兆しが見えます。」

「以前は、東京の主要道路沿いに住んでました。排気ガスがすごくて、よく体調を崩していたのを覚えてます。住んでた家は、やけに寒かったです。周りにマンションが多かったので、日陰が多いのが原因だと思います。主要道路沿いに住んでいたので、夜も車の通る音がうるさかったです。今は、千葉県の茂原市に移住しました。駅から車で15分離れた丘の上の住宅地に住んでいます。とにかく静かです。道路沿いじゃないだけで、こんなに変わるのかとビックリしました。道路の騒音は睡眠のストレスになってました。今は、熟睡できます。電車は外房線になりましたが、茂原駅は特急も止まるので東京まで1時間で行けてしまいます。コンビニは近くに1軒しかありません。買い物を頻繁に行かなくなり、節約になってます。車がないと大変ですが、日頃の生活のストレスを考えたら、移住して大正解でした。 」

こうやって見ると地方に移住の一つの理由として、病気の療養があるケースが多いようです。
(もちろん他にも多々あるので、医療だけに特化するのは良くないです)

そういったニーズをうまく掘り起こし、アピールすることができている町の事例として、島根県の邑南町(おおなんちょう)の事例です。

邑南町は、島根県の真ん中あたりにあります。

この邑南町の合計特殊出生率は、平均すると2.06程度あります。
これは人口の自然増減がなくなるライン(出産と死亡で人口が減らない)です。
日本全体で1.4程度を見ると、かなり高い数字です。

ちなみに、十勝地方の一部の町のデータも並べてみましたが、やはり邑南町はかなり出生率が高い町です。
(日本で一番ではないです)

この邑南町の町長さんのインタビューを見つけました。
事業構想さんのページより

「日本一の子育て村構想」の策定にあたっては、医療や保健、福祉、就労、教育、生活環境など、関連する部署をすべて集めて本部をつくり、どんどんアイデアを出させました。

この中で私が注目したところは「関連する部署」をすべて集めた、というところです。
これは先ほど私がお話した、「皆で考えて動いた」というところです。

町ではこういった取り組みをされているようです。
いろいろな部署や、人が関わって街づくりをされていますね。

その結果、このような出生率を達成することができています。

「日本一の子育て村」というコピーをかかげ、すべての部署を巻き込めたことが本当に素晴らしい結果をもたらしています。

では次のお話です。
この中で、いくつの言葉を知っていますか?

リモートワーク

サテライトオフィス

ワーケーション

フリーランス

まずはリモートワークですが、こちらは「遠隔勤務」のことです。
そしてそういった遠隔勤務ができるオフィスのことをサテライトオフィスと言います。
最近では都会に本社があり、地方にネット接続されたオフィスのことを差す場合が多いです。

そういったサテライトオフィスの呼び込みは様々な自治体で行われています。
これは「都会で働いている方を地方に連れてくる」「町でなかったビジネスの雇用の掘り起こし」など様々なメリットがあります。

こんなオシャレなところがあるようです。

次にフリーランスです。
ちょうど昨年(2016年)経済産業省が働き方改革として、「フリーランス」のような自由に活動ができる個人事業主を重要な位置づけの一つとしました。
フリーランスは仕事があれば、企業に属しているよりも自由で、かつ、楽に仕事ができますが、正直仕事をとってくるというところがなかなか難しいです。

最近では、「フリーランス 仕事」などと検索すると、フリーランスの仕事を紹介してくれるサービスが多々あります。
特にフリーランスは最近は「ライター」「エンジニア」「デザイナー」などの専門職の方が多いです。

こういったフリーランスの方は正直、どこででも働くことができます。
それは都会でも、地方でも。はたまたリゾート地でも。
最近アメリカで流行り始めている新しい働き方として「ワーケーション」というものがあります。

ワーケーションは「ワーク」+「バケーション」でリゾート地なので、仕事をする働き方です。
そこに定住するもよし、期間限定で住むもよし、旅行しながら仕事するもよし。

ちなみに私もフリーランスに近い働き方をしていますので、北海道の札幌に行くときはこちらのゲストハウスさんに宿泊し、wifiと電源が整ったロビーで仕事をしています。

朝はロビーで仕事をして

お昼には美味しいものを食べ

そして午後からは場所を移して仕事をして

そして夜は私(実は趣味がお菓子作り)がパウンドケーキを焼き、皆で食べ

そしてゲストハウスの方もトマトラーメンを作ってくださり

ハワイから来た方とも仲良くなり(カタコト英語ですみません><)

そして再び仕事をする。

こんな働き方ができています。

最高ですよね。

これを本別でもやろうとしました。
が、、、、

wifiがなく仕事ができなかったです。。。
wifiをもっとあちこちに導入してほしい><

という私の話はさておき、アイデア出しをする前のヒントとして

・移住支援の軸を決め、それにあわせてみんなで考える・動く

・最終的には実際に自分が体験してみて、皆に伝える
ことが重要になります。

さてここからは、チーム分けされた方々で街づくりに関してのアイデア出しです。

テーマは「十勝(本別)にとって移住したくなる魅力的な街づくりとは?」

発表は画用紙を使って行いました。
タイトルをつけ、皆でアイデアを考える。

先にもありました通り、1つの側面や一人だけが頑張るのではなく、総合的に考えてみてください。

考えるのを一人でやるのは禁止と言っているのに、発表を一人だけですることはありえません。
必ず全員で行うことが重要です。

アイデア出しをする際は、かならず、「相手の意見を否定するのではなく、相手の意見のいいところを褒めてください」
これが重要です。

発表は壇上で行い、真剣に聞くために、皆に集まっていただきました。

ということで、今回はここまで。
また後日、発表内容の一部をお伝えします。
乞うご期待!

ここでお話した内容は他で使っていただいても構いませんが、使われる際はこちらのページにリンクを貼っていただき、出典を明記してください。
出典: だいたいパーティを組むと3番目ぐらいにいる社長のブログ
みたいな形です。