今回は3番目社長が最も専門としているブランディングに関してです。最近ビジネスシーンで「ブランディング」についてお話する機会があうのですが、そもそもブランディングということの意味を実は取り違えて認識されている方が多くいます。

× ブランディング = かっこよく見せること
× ブランディング = 広告・宣伝すること
× ブランディング = 目立たせること
では決してありません。
今回はブランディングの語源から、ブランディングとはそもそも何かを説明していきたいと思います。

知ってますか?ブランドの本当の意味

ここでまずは質問です!!
英語の“Brand”の意味を知っていますか?
例えば、Swimingは”Swim + ing”で「泳ぐ+こと」、つまり「水泳」のように、動詞にingが着くと「~すること」となることは、中学の英語で(今は小学校?)習ったことがあるかと思います。
Brandingも同様に”Brand + ing”でできています。 そう、”Brand”は動詞として機能しています。ではその”Brand”の意味は?









それは、「焼き印を押す」です。つまり”Branding”とは「焼き印を押すこと」です。
もともとは家畜に焼き印を押して、自分の財産だと周知させることをさしていました。

あれ?そんな意味?と思われた方も多くいらっしゃると思います。日本では良い品のことを「ブランドもの」と呼んだりもしますが、先ほどの意味だと、そもそもブランドものと呼ぶには違和感があるかもしれません。
これにも理由があります。それは昔、革のバッグなどに製造会社が焼き印を押してどこの製造会社(販売店)が作って(売って)いるかを周知させ、偽物ではないことを保証するために、バッグ自体に焼き印を押していました。
周知をさせるというのは、良い品でなければ、周知をさせたところで認知はされません。(最近だと炎上するかも?)
つまり、「ブランドもの」はもともと「焼き印が押されたもの」→「周知されたもの」→「良いもの」となり、そう呼ばれるようになりました。

話をもとに戻します。
企業や個人に対して使う「ブランディング」は、もともと「焼き印を押す」ことですが、ブランドものの例であげた通り、「周知」という意味で使われます。
「周知」というのは、どういうことでしょうか?

ブランディング = 周知

周知という言葉は、情報を発信するという意味ではありません。
「周」はまわりにいる人、「知」は知っていること。つまり、「ブランディング」 = 「周知」=「周りにいる人が知っていること」です。
しかもただ知っているだけではありません。バッグの例であげた通り、「良いものだと周りの人が知っていること」。これが「ブランディング」です。

ここでまた一つ、勘違いがよく起きます。
自社の製品やサービス、もしくは自分自身が良いものだという情報を発信すれば良いのでしょう?と。
それは間違いです。例えば、あなたは全く知らない企業のスマートフォンを、その企業が「良いものだ」と言ったからといって、その企業のスマートフォンがいいものだと思いますか?
それはないですよね。当事者である本人や企業が自分自身のこと、自社の製品を良いものだといってその通り思うということはありません。
ではどうすれば「良いものだと周知」できるのでしょうか?

ここで重要なのは3つの円です。

ブランディングに重要な3つの円とは?

その円は以下の3つからできています。

  • 内的欲求
  • 内的能力
  • 外的需要

1つずつ見ていきます。

内的欲求

まず内的欲求は、自分自身や企業自身がやりたいと思っていること、打ち出したいと思ていることです。
これは、「うちの会社の製品は良いものだ」や「この商品はすごいハイスペックだ」、「おれはすごいんだ」などにあたります。
ブランディングを行う際、だいたいどこかしらの良いところを外向けに発信したりします。
発信する方法として、広告を使ったり、SNSを使ったりすることもあります。

内的能力

続いて、内的能力についてです。
内的能力とは「自分自身にできること」「自分自身が持っている外面や能力」「商品のスペック」などです。
今現在必ずしも持っている必要はなく、「将来性」なども含まれます。

外的需要

そして外的需要、これが一番重要です。
外的需要とは、外部、つまり周囲にいる人が求めている考えや想いのことです。
人は、自分が求めている考えや想いと別の考えや想いを容易に受け入れることはできません。
言い換えると、人が企業やあなたに「求めているもの」を企業やあなた自身、製品が満たしている場合にのみ、その人の心に受け入れられることになります。

つまり、これら3つの円を満たしている情報を発信した場合にのみ、「周知」されることになります。(図の3つの円が重なっている紫色の部分が周知されやすい)
自分本位の情報を発信するのではなく、その情報を届けたい人に対して、その人が求めている情報を届けるのです。その結果「周知」され、ブランディングが完成されます。

ブランディングが完成されると何が良い?

ではブランディングが完成すると何か良いことがあるのでしょうか?
一番良いことと言えば、例えば商品を購入する際に、真っ先に思い出していただけ、その結果買われる可能性が高くなることです。
思い返してみてください。

例えば、あなたが音楽のポータブルプレイヤーが欲しいと仮にします。そして電気屋に行き(ネットショップでも良いです)、ポータブルプレイヤーの売り場に行った際に、一番最初に思い浮かべるのは何でしょうか?
おそらく大半の方はiPodを思い浮かべると思います。これはiPodが周知されているからです。
そして一番最初に思い浮かべたものを、大抵は手に取ります。
金額感が合わない、スペックが合わないなどが無い限り、そのまま購入することが多くあります。
たまたま合わなければ第二候補に移る、もしくは、そのコーナーにある他のものを手にとって、それらを見比べて商品を購入する場合もあるでしょう。
ただ、すでに見比べてしまわれている段階で、スペックや価格での勝負になり、収益の圧迫につながるケースがあります。(海外の無名メーカの激安商品は最たる例)

周知されていると、買われる可能性が高いだけではなく、収益を圧迫せずに販売できる可能性も高いのです。
それぐらい「周知」されている、つまり、ブランディングされているというのはメリットがあります。

まとめ

今回は基礎編のため、ブランディングという言葉の意味から、ブランディングするために必要な3つの円、そしてブランディングされている場合のメリットについてお話をしてきました。
4月中に、中級編として、ブランディングで重要なメッセージとターゲットについてお話したいと思います。